いっしょに遊ぼうよ

既存保育園の老朽化による建て替え

既存保育園の老朽化による建て替えとして、保育士との度重なるヒアリングを経て、既存保育園で出来なかった「遊ぶ」というキーワードを元に、ゆったりと自発性を育み、こども達が創造性を発揮して自由に遊べる、冒険心を呼び起こすような建築空間をデザインした。

また、幼いこどもを抱えて働く両親の心と体のサポートを形にし、大人にとっても快適な保育園となるよう心がけた。

■優しさの中に創造性を持つファサード

こどものお城を連想させるランドプラン的な外観は、夜灯りが入ると、ガラス貼りの階段室は大きな照明となり、暗くなるまで働いてきた家族を暖かく迎え入れてくれる。

動物の形の木やランダムでサイズ違いの四角い窓が遊び心いっぱいに想像力を掻き立てこどもの感性を刺激する。

また、車社会に対応出来るアプローチ計画として、駐車スペースやエントランスを広く確保した。車寄せをつくり、こども達が雨でも濡れずに手を繋いで園へアクセス出来る仕組みとし、駐車場を緑化することで景観にも配慮している。

■ランチルームで子ども達に「食」に関する興味を高める

給食室をガラス張りにし、こども達自身が配膳を行うことによって、給食室の先生とのコミュニケーションが広がり、食に対する興味や関心を高めると同時に、お手伝いを通してお仕事することの喜びや、将来に対する「夢」を描くことができるよう工夫した。

■送迎支援をデザインする

乳児の保育園用荷物は、着替えやタオルだけでなくオムツや汚れ物の種類も多く保護者の準備が大変である。

そういったストレスを無くす為、リネンや個人クローゼットを1箇所にまとめ、保育室の外から保護者が利用出来、保育士も使い易くなることで、日常のストレス緩和に努めた、外入中出しのリネン・個人クローゼット計画である。

■建物の中に居ながら自然を感じられる空間

多様性のある階段でそれぞれの想いを叶えるひととき。ひな壇で本を読めるよう階段の下に本棚を配置し、お日様を浴びながら日向ぼっこする。

暖かくこどもと家族を受け入れてくれるガラス貼りの階段室は、五感や知性を育むOPENな空間となっている。

パブリックスペースにはお日様・雲・木等、自然をモチーフにデザインされた照明を使い、こども達に優しい光を届け、移動が楽しくスムーズに行えることで、両親や保育士をサポートする。

■体力や五感を育てる

乳児専用の外部に面した中庭は、安全で暖かく気持ち良く、教室に居ても自然の光や風をいつも身近に感じられる空間とした。

また、園庭には樹木や築山で起伏や変化を持たせビオトープをデザインし、自由な遊びでこどもの想像力を触発し、「一緒に遊ぼうよ」というコンセプトの元、豊かな感性を刺激することで、体力や五感を育てる。

■森の中のトイレ!

トイレにはこども達が親しみやすいモチーフを使い、小便器は大樹 大便器は木の家をイメージし、壁は木々をデザインしたタイルで、トイレ全体が大きな森となるよう構成し、遊びに夢中のこども達が、とにかく行きたくてたまらないトイレをデザインした。

「あかるく、気持ちよく、使いやすく、楽しい」トイレで、こどもも大人も楽しんでトイレトレーニング出来る空間とし、のびのびとこどもの自主性を育む。