「SIMPLE IS BEST」な保育園

保育園は「白いキャンパス」

大阪市内住宅密集地で長く歴史を持つ幼稚園が、新たに保育園を立ち上げたプロジェクト

幼稚園の敷地を分け、建築制約の多い住宅密集地の中、立体的に空間を工夫し「SIMPLE IS BEST」をテーマに、都市型保育園で有りながら、こども達が広々のびのびと保育できる、保育空間の提供を心がけました。

 

■アピールポイント

園舎は「白いキャンパス」。園舎は、こども達が集い、遊び、日々の生活を過ごす空間。こども達が園舎をいろどり、かざり、そして、園舎が、こども達の体験を広げていく空間、そんな園舎作りをテーマに計画しました。

こども達が遊べる空間、乳児の安全な空間、地域と交流できる空間、おとなが使いやすい空間、この4つのキーワードを、極小敷地で立体的に空間構成し、乳児からおとなまでが、ストレス無く利用できる空間としました。

■外部・内部どっち?

少しでも広く開放的に・・・エントランスホールはOPEN空間。みなさんの交流空間です。

エントランスホールを通らないと何処にも行けない計画とすることで、エントランスホールの横の、せんせいのへやから、こども達の動きが自然と確認ができ、こども達の安全を見守りつつ、訪問者の出入り監視も出来る工夫にしています。

また、せんせいのへやの一部を円形にすることで、OPEN空間に広がりを出しつつ、雨の日のこども達の運動場となるであろうエントランスホールでの、こども達の衝突事故も防げる形となっています。

■各室こども達目線のサイン計画

こども達の目線にあわしたひらがなのサイン、みんな部屋に入る前にサインをなぞって遊んでいます。

また、字が読めないこども達のためにも分かるように、部屋ごとに色を変えてサインを考え、色でも分かる工夫を取り入れています。

■みんな丸見え・・・でもプライバシーは大丈夫

扉が総て全面ガラス戸・・・こども達のプライバシーは?大丈夫、こども達の目線までは不透明ガラス、そして先生目線では透明ガラス、先生の見守りやすさにも配慮です。

そして、その全面ガラス戸のガラスには、こども達の衝突事故等を配慮し、安全ガラスを採用しています。

■保育室はこども達の「のびのび空間」

壁、天井は総て白一色、床、建具は総てナチュラル木目色、保育室は日々こども達が飾ってくれる空間、何も飾らない、「白いキャンパス」空間。

ランダムに配置した色々な窓から、保育室全体に太陽の光をいっぱい頂き、「白いキャンパス」が光り輝き、こども達の創造力も芽生え、こども達がのびのびと自然体で生活してもらえる空間をデザインしました。

■みんなのトイレ=機能美

明るく開放的に利用目的別にゾーニングされたみんなのトイレ、使うこども達も知らず知らずにきれいに並んで利用しています。

そして、知らず知らずに集団生活のルールを身につけれる空間です。

■出入り口は総て引き戸・エントランス扉は引き戸自動扉

こども達が利用する扉は総て引き戸、こども達の安全管理に注意した計画とし、扉の開け閉めにおいて、指を詰めない様に、扉先はゴム戸先とし、こども達への見えない安全バックアップをしています。

又、エントランス扉は、乳幼児を連れ、両手がふさがっているお母さん達のことを考慮し、ノンタッチの引き戸自動扉を採用、お母さん達のストレス無くスムーズな送り迎えの手助けが出来ています。

■緑を意識した人に優しい外観

緑は外観にデザイン、のちに桜が成長する植栽部分の外壁は桜色と補色の緑のタイルを装飾し5年、10年先の桜の開花が待ち遠しいタイムカプセル的な仕掛けを演出。

外観の窓は大樹の葉をイメージし外壁をランダムに飾り、夏場でも涼しげな風を感じるデザインとし、各窓まらは、こども達が木登りをしているかのように顔をのぞかせ、こども達の遊び心をくすぐるやわらかい外観としています。

夜は、エントランス照明+窓灯の共演で、星空のような幻想的な外観になり、家路に着くこども達に「おやすみなさい」と言っているかのような外観となっております。

■あとがき

今回の淡路保育園のデザインは、保育園としての当たり前の使い勝手を、当たり前に使いやすく「SIMPLE IS BEST」に作った保育園です。

今回のSIMPLEには、作りやすさ、使いやすさ、を求めてデザインしています。

作りやすさとは、コストが安く、仕事がしやすいと考えております。

当社は、待機児童が多く保育園が少ないといった社会現象の原因のひとつは、コストが高く、仕事が難しいといったことも、原因になっているのでは?と見ております。

今回の淡路保育園はそういったことを前提に、本当の「SIMPLE IS BEST」な保育園とは?を、考え、作りやすさ、使いやすさ、機能美、を求めてデザインをし、こども達、お母さん達、せんせい達、地域のひと達の、使いやすい保育園「SIMPLE IS BEST」な保育園となっております。

今後、当社は上記の「SIMPLE IS BEST」な保育園を、より多くのクライアント様に供給できるデザインプロジェクトを立ち上げ「SIMPLE IS BEST」な保育園を追求し進めて参ります。