NEXT21設計パートナー・コンペティション
2020年集合住宅の住まい方を考える
このページに関する資料のご提供は、大阪ガス株式会社さま・近鉄不動産株式会社さまとなります。
最優秀賞 受賞
「誰かと何かをシェアする家」
今まで多くの集合住宅の基本モデルは、核家族を対象にしてつくられてきました。
しかし今後も、それは続くのでしょうか。
住まい方はさらに多様化しようとしています。
今後、私たちは誰かと住む、それは家族であるかも、家族でないかもしれません。
例えば、誰かと何か(空間、時間、行為・・・)をシェアしたり・・・。
そういった提案によって生まれる時代の住まいの形や可能性を「501住戸」では求めました。
(NEXT21パートナー・コンペティション募集要項より)
住み続けられる、変わらない家
ワーキングシングルの増加を背景に、60代を中心とした世帯構成は「1.5世帯」〈夫婦+単身の子〉が増加しています。
戸建住宅においては、幅広い世帯構成に合わせた住まいが作られ始めていますが、集合住宅の基本モデルは限定された世帯「1世帯」に向けて作られているのが現状です。
そこで、501住戸では50~60代の夫婦を中心軸に、1.5世帯に向けた新しい集合住宅のカタチを提案。
共に暮らす「誰か」〈=プラスワン〉が変化しても、お互いの生活を尊重し、住み続けられます。
時の流れと共に変化する『家族の在り方』。
そんな流れに沿って住み続けられる、変わらない家をコンセプトとしました。
変わる人、変わらない家
適度な距離と絆を育む土間空間
『住み手によって距離感を変えることが出来る』土間で室空間をシェア
・時が移りシェアする人が変わっても、手を加えることなく柔軟にそれぞれの暮らしに対応。住み続けられる家。
屋外の立体街路と連続した土間空間が、住戸内に引き込まれ、メイン住戸とプラスワンルームを緩やかにつなぐ。
お互いの気配を感じながら距離感を調節する家。両親と娘、夫婦と老親、夫婦と姪、住居と職場・・・・様々な家族を受け入れます。
「リビングの延長 共有する時間と空間」
・こどもが社会人になり、個人の生活スタイルを持ち始める。”親”と”子”の生活にズレが広がってゆく。子供は「プラスワンルーム」で独立する。その変化に向き合い”適度な距離”を持つことで、お互いの生活を尊重しながらも緩やかに繋がる暮らし方が始まる。
・休日は一体に繋げた広々土間リビングで一緒にスイカやビール。ゆったり流れる時間を親子で共有。
夫婦60才+おばあちゃん80才
「路地空間でおばあちゃん友達とも交流」
・子供が独立し、一人暮らしの親を呼び寄せる。おばあちゃんは、「プラスワンルーム」で独立した生活空間を確保できる。お互いの生活習慣や生活リズムが異なっても、大丈夫。お互いの雰囲気を感じながら、気兼ねなく、安心して生活出来る。
・おばあちゃんは友達を呼んで土間スペースでお茶会や手芸の会。
夫婦70才+賃貸女性35才小型犬を飼っている
「犬と土間で繋がる風景」
・空いた「プラスワンルーム」を賃貸に出す。”ひとり暮らしでペットを飼う不安も、ここなら解消出来る”と、小型犬を飼っている女性がすぐに入居。犬好き同士で交流、旅行の時には大家さんがめんどうをみてくれる。
・大きな土間で犬ものびのび、ペットを挟んで、会話もはずむ。
住まいと住まいをつなぐ「土間空間」
・町屋をイメージした格子戸で開放廊下と繋がる。住人は、土間空間に入ってから各々の居住スペースへ。
・土間は緩衝スペースとして、共有スペースとして働く。家族をつなぐリビングに、また、隣人や友人が集う路地に変身する。
・プライベートスペースを土間でつなぎ、土間を通じて「隣り合う、向かい合うことも出来る」、「光や音や気配を感じながら」共に暮らす。